「支え」の実践

さて、「支え」をつくる練習に入る前に、まず「脱カナ縛りの準備フォーム」を復習しておこう。日本語の「い」の形を作って無駄な力が入る箇所を意識し、これを弛緩させるのである。

弛緩する要領がつかめたら、今度はまだ声を出さないまま、緊張した日本語の「い」ではなく、リラックスした英語の短母音iを考えながら無声音で息を流してみる。短母音のiを何秒かサイレントのロングトーンで伸ばし続ける感じだ。

息は決して無理に押し出そうとしないこと。押し出そうとすると力が入り、息の音が混じってしまう。むしろ、前方から吹いてくる風を自然と口に呼び込むような感じを目指そう。しっかり弛緩できていれば、いやでもそうなる。弛緩したまま息が出ていくときは、むしろ息が逆流してくるような、一種のブレーキ感があるのだ。それが「支え」の感覚につながると覚えておこう。

そして、よりしっかりと「支え」を作るためのヒントをもう1つ。弛緩したままiの形を保持するには、上唇をやや左右の上方に引っ張るようにするとよい。それでもまだ足りないだろうから、さらに上唇の付け根(歯茎近く)が目の奥のほうへ引っ張り込まれるような感じをイメージして、唇の開きを維持する。この奥へ引っ張り込むような感覚が、「支え」の重要な構成要素だ。要するに、口蓋を高く引き上げるように顔や口内の筋肉を使うことが「支え」と考えるとよい。ちょうど鳥かごをつまんで持ち上げるように、口の中のドーム状のスペースを天井(口蓋)の上から高く吊り上げるようなイメージだ。これを意識すると、iの形がうまく保たれる。

このとき下唇は完全に脱力したままにする。口角や下あごなどにも、もちろん力は入れない。

この形が、ほぼ英語の短母音iそのものとなる。

極論すると、英語の短母音iは、下あご系の筋肉を完全に脱力し、上あご系の筋肉だけで支える音なのだ(実はこれは他の英語の母音にも当てはまるのだが、それは次回以降にまわそう)。

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