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星座と発声

最初に断っておくが、何座の人は声がいいとかいう星占いの話ではない。ここで星座を持ち出したのは、鼻腔弁の特定の箇所をどう操作すれば素直な声が出るか、という疑問に答えるためだ。

僕は試行錯誤の結果、操作すべきポイントは4箇所だという結論に至った。いずれも披裂喉頭蓋ひだ(遮蔽膜)の先端にある、小角結節と楔状結節という名の各1対の肉球である(2017年2月の「声帯を直視して範となすべし」を参照)。

この4点を意識的にコントロールできれば、僕が追い求めてきた発声に大きく近づけるに違いない。それには2つの条件がある。1つは、声帯付近にあるこれらの肉球を、鼻腔弁のどこにマッピングすれば操作できるかを突き止めること。そしてもう1つは、この4つの肉球をどう配置すれば最適な発声が得られるかを探ることだ。

マッピングについてはある程度あたりをつけてある。前回と前々回に示した3D鼻腔弁の図で、遮蔽膜リングの上端付近が多分一番可能性が高いと考えられる。

問題は、肉球の配置だ。この半年以上は、その検討に費やしてきたようなものだ。だが突き詰めれば話は簡単だ。肉球は4つしかなく、しかも2つずつがペアになっているので、この4点を星座のように結んでみると、必ず台形になるはずだ。問題は、同一ペア内の肉球がどれだけ離れ、あるいは接近しているか、そして異なるペアがどんな角度でどのような位置関係にあるか、という点だ。

同一ペアのうち、小角結節にあたるペアは極力接近させるべきだろう。というのは、小角結節は声帯を閉じる役目を持つ小角軟骨の一部なので、発声時には小角結節も閉じた状態になると予想されるからだ。

楔状結節のほうは、遮蔽膜を引っ込めるよう作用させたいので、できるだけ頭の後ろのほうに引っ張った上、左右にやや開き気味になるのでは、と推測した。

こうして、遮蔽膜リングの上端に小角結節2個をほぼ接触するぐらいに並べ、その背後に楔状結節をやや左右に開いて配置する、という台形状ないしほぼ三角形の星座モデルを描くことができた。

さらに僕は、この星座の形をあまり崩すことなく声を出してみながら、星座全体の前後の傾きを加減して最適な角度を探る、という作業を繰り返した。

そして最近、ようやくかなり納得できる配置にたどり着いた。楔状結節は、小角結節のすぐ後ろかつやや下方に配置する。声を出す時は、2つの楔状結節を出来るだけ密接に近付けながら、小角結節はより後方下側に向かって滑らせるようにする。台形がより長細く後ろ下方に伸びる感じ、といえばよいだろうか。

このとき、楔状結節のほうは後ろに引っ張られないよう踏み止まらせる。この前後に拮抗するようなバランスを保つ点がミソである。

楔状結節は遮蔽膜がしゃしゃり出るのをぐっと抑え、小角結節は声帯をぴったり合わせてシャープな振動を確保する。この相乗効果によって、声は本来のパワーをいかんなく発揮できるのである。

この感覚は、実際に試して自分でつかむ以外に方法がない。言葉で伝えられるイメージは出せるだけ出したので、あとはぜひ各自で探ってみてほしい(また別のイメージを思いついたら紹介するつもりではあるが)。

なお、このブログで公開しているメソッドは僕が苦心してたどりついた知的財産なので、無断借用はしないでほしい。個人で発音改善などに利用される分には大いに歓迎するが、人に紹介していただく際には必ず、国井のアイデアだと言及するようようお願いしたい。(以前僕が別のブログで音読について綴ったことを本に盗用した人がいて、遺憾に思ったのでひと言。)