はじめに

なぜ日本人の話す英語は世界に通じにくいのか。その答えは「声」にあった。

英語と日本語では、よく使われる声の質が実は決定的に違っている。だから、ほんとうに通じる英語への近道は、この英語特有の「声質」を把握することにあるといってよい。

ところが、声に違いがあることはうすうすわかっても、自分でその違いを再現できるかどうかは別問題だ。うまく再現するのはそう簡単ではなく、声についてかなり深く真剣に考えないと、思うように声は出てくれない。これだ、と思ったアイデアも、やってみるとそれほど効果がないことも多い。

求める声への道のりは、近いようで遠いのだ。結局必要なのは、自分なりに仮説を立て、検証し、修正する、というサイクルの繰り返しだ。そうやっていくと、ゴールは遠いようで実は結構近かったりもする。

仮説は大胆なほうがいい。でも結果が出ないとボツになる。行き詰まったらイマジネーションを膨らませて別の仮説を出す。この過程が面白くてたまらない。たとえ仮説が的外れだったとしても、それは次の仮説へのステップになる。こうして、僕はようやく一歩また一歩と真実に迫ってきたような気がする。

人のアドバイスは、ヒントにはなっても、鵜呑みにはできない。発声のコツを模索するとき、結局頼れるのは自分しかいないのだ。これはけっこう孤独で地道な作業である。でも、うまくいったときは至福が待っている!

これからときどき思いつくままに、「声」をめぐるPersonal Journeyを記録していきたい。

あなたも、新しい自分の声を発見する旅に出かけませんか?

 

国井仗司 (a.k.a. George Cooney)

2014年1月20日

P.S.  上記と矛盾するようだが、日本人は日本人らしい英語を堂々と使えばそれでよい、と僕は思っている。 けれども、いくら堂々としていても相手に通じなければコミュニケーションは成り立たない。そんなときは少し扉を開けて、多少歩み寄ることも必要なのだ。こういう場合に使えるよう声の引き出しというか表現の幅を広げておけば、英語はもちろん日本語で話すときにも重宝するはずだ。

P.P.S.  ご参考までに、僕は長年英語と日本語の「声質」の違いを研究し、声の出し方について試行錯誤をくり返しながら、さまざまな英文を朗読しては録音し、聴き返して楽しんできた。英語で朗読! Giving Voice to the Written Wordや、News Readathon – 「究極」の音読エクササイズ などのサイトに音声ファイルを多数掲載しているので、興味のある方はそちらもご覧いただきたい。

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な お、このブログで公開しているメソッドは僕が苦心してたどりついた知的財産なので、無断借用はしないようお願いしたい(もちろん個人で発音改善などに利用 される分には大いに歓迎するが)。以前僕が別のブログで音読について綴ったことを黙って本に盗用した人がいて、遺憾に思ったのでひと言。また、紹介してい ただく際には必ずクレジットを入れることをお願いしたい。

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